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防錆剤
2016/12/07

防製油を塗布する必要がない素材

野崎正剛
ブログ

さび止め油はゴム、皮革、コルク、紙、布、プラスチック等の非金属材料が混在する組立品には、たとえ金属部の防錆が目的であってもむやみに使用してはなりません。その理由は金属面だけ塗布しても温度変化によって軟化、流出して隣接の非金属部品に移り、その素材を劣化させる危険があるからであります。従ってもしこのような組立品の金属部の防錆にさびどめ油剤を塗る必要がある場合には、それらの非金属材料と使用しようとする防錆油との両立性、つまり互いに他を侵さないかどうかという点を前もってよく確かめておく必要があります。

さび止め油を塗布する必要のないもの

・ガラス質、ブラスチック剤、ペンキなどで保護されている部分

・腐食性金属製品。特に以下のような金属で作られ、なおかつ精密仕上げ面のないもの。

銅、真鍮、青銅、ニッケル、クローム、その他の耐食性金属ならびにこれらの合金類。

クローム、ニッケル、銀、カドミウム、亜鉛、スズなどのメッキ品など。

さび止め油の塗布を禁じられているもの

・綿布、紐類、プラスチック、マイカ、ゴム、紙類、フェルト、皮革など部品が混在するもの。

・ある種の電気及び電子装置、計測器類、例えばコンデンサ、電気コネクター、デストリビューター、ヒューズ、スイッチ、抵抗器、整流器など。

・さび止め油を塗布またその除去によってメカニズムや機構に支障をきたしたり機能や作動に変調をきたすような恐れがあるもの、またはそのような場合。

天然ゴムに溶剤系さび止め油はもちろんの事、普通のさび止め油といえども使用してはいけません。ただし合成ゴムには天然ゴムほどの悪影響がありませんができるだけ避けたほうがよろしいです。

溶剤系のさび止め油はコルク、皮革、紙類などを膨張させたり崩壊させたりする可能性があります。また普通のさび止めオイルもプラスチック製品を弛緩させたり分解させたり歪ませたりする恐れがあります。

以上から、もし色々な非金属材料の部品が組み込まれた品物の金属部品だけをさび止めしたい場合にはさび止め油剤を使用しない方法を選択する必要があります。例えば、防錆包装法や吸湿剤を使用する減湿包装や、吸湿剤とVCIを併用する防錆包装法等が考えられます。