生産工程中の管理体制の確立
野崎正剛
1.生産作業に即応した、防錆材料であること。
近年、機械、器具類は高度化し、製品精度はミクロ単位が要求されており、またその機能は複雑化し作業条件も過酷となってきているのが現状です。
また製品、部品類は、商品価値としての美観性が重視される傾向にあるので防錆資材の適用にあたっても以下の諸事項を加味することを推奨致します。
●製品本来の使命に支障を与えないこと
高精度化する製品に適用するさび止め油はその製品の機能、性能に支障を与えるようなことああってはなりません。
これは初期に十二分な実験と検討を重ね、防錆成果を確認しておくことが必要です。
製品防錆に使用したさび止め油が、機能的条件(摩耗、熱、冷却)構成材料(金属材料、非金属材料)等と作用し、思わぬ副作用により製品本来の使命に悪影響を与えることがあります。
●物品の美観性を消失させないこと
さび止め油は物品の表面保護を目的として採用されるものであって、物品を汚染したり、美観性を消失するようなものであってはなりません。
防錆処置とは、商品の一要素であり製品の商品価値を低下させたり取り扱いに困難を伴うようなさび止め油であってはなりません。
●生産作業に支障を与えないこと
各企業では製品原価の低減が強調されております。
防錆作業のために特別の設備を必要としたり、防錆作業工数が増加したりまた防錆使用規定が難しいような材料であってはなりません。
防錆材料は生産作業に即応したものでなければなりません。
2.安全無害であること
さび止め油の中に揮発性溶剤が多く含まれており、引火性の危険のある物や、化学反応が旺盛であるため人体に有害なものがあるが、さび止め油としては引火性の少ない人体に無害であることが必須的条件であります。
3.防錆技術を有する防錆剤であること
さび止め油の有する効用を正しく理解し、適材適所に用いることが必要です。
さび止め油の価値は防錆技術の良否によって決定付けられるものであります。
さび止め油の選定にあたっては以上を留意しておかなければなりません。