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2016/12/19

錆が出た時どうしたら良いか

野崎正剛
ブログ

鉄の錆、非鉄の錆

錆を含む表面層の除去

●物理的方法

エメリー研磨紙か研磨布、又はグラインダーなどで研削する。ワイヤブラシ又はパワーツールで処理するのは埋まった錆が除かれないのでサンドプラスト、グリットブラスト、ショットブラストなどで表面層の一部と共に除くのが良く、特にその後塗装する場合に好ましい。切削工具で表面を切削する方法は小型部品には応用でき、後にメッキを行う場合には望ましい。

●化学的方法

酸洗い処理、電解酸洗い、電解研磨など

(1)表面の清浄作業

物理的の処理した表面の汚れがはなはだしい時は石鹸水又は界面活性剤水溶液でブラシを用いて洗浄する。油肪、グリースなどが付着している時はアセトン、トリクレンなどの溶剤で洗い、溶剤が蒸発してから水洗いすれば良い。

酸洗いを行った場合は塩酸または硫酸が残留するとすぐに発錆するので、炭酸ソーダ水溶液などのアルカリで中和した後よく水洗いして残留アルカリを除き、最後に清水、温水、又は脱塩水などで洗浄する。

 (2)表面の乾燥

温水で洗えば水滴を除くだけで乾燥が速い、冷水は乾燥中に又錆びる恐れがあるので清潔なガーゼ、吸取紙、スポンジなどで水分を除き、清浄な乾燥空気を吹き付ける。ヒーターを備えた熱風乾燥は最適である。

(3)乾燥環境の維持と外界の遮断

錆が除かれた表面は湿気や有毒ガスを含む外界と遮断する為に小部品ならば密封容器に入れて乾燥環境を保持させるのは研ぎ澄ました刀を鞘に納めるのと同様である。更にシリカゲルなどの吸湿剤か、気化性防錆剤を封入すれば理想的である。

機械部品や工具などは油肪、グリース、インヒビタ(酸化防止剤)を配合した防錆油を塗っておけば使用中の発錆が防げる。昔は菜種油などの植物油を防錆に塗ったこともあるが、植物油は空気中で酸化して酸性となるので一時的には効果があるが長期間塗ったままで置くとかえって油膜の下に錆が生じる。潤滑油など粘度の高く酸化の小さい石油製品を塗るのは防錆に有効で防錆剤を配合した防錆油もあるので利用するのが良い。